\ヲタクマーケッターが語る/ 半分スケルトンから紐解くロマンとリアルの境界線

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小野雄希(おの)

コンテンツをこよなく愛するマーケッター。守備範囲広め。

皆さん、どうも!WEBプロモーション事業部マーケティング1課の小野です!

以前、この社内報でもチラッと書いたことがあるのですが、我が家にはフィギュアがたくさんあります。自他共に認める、まあまあの「コレクター気質」です。

そんな愛すべきフィギュアたちを夜な夜な眺めていた最近、ある一つの「奇妙な共通点」に気づいてしまいました。

僕が吸い寄せられるように買ってしまっている一連のフィギュアたち。それらは、別に公式設定でもなんでもないのに、なぜか……

「「「半分スケルトン」」」になっているんです。

ウルトラ怪獣の半分スケルトンウルトラ怪獣の半分スケルトン
レゴの半分スケルトンレゴの半分スケルトン
ミッキーフレンズの半分“メカニック”ミッキーフレンズの半分“メカニック”

…どうですか?めちゃくちゃ「かわいく」ないですか!?

本来ならちょっと不気味に見えそうなものなのに、なぜか僕の心は「かわいい…最高…」と大興奮してしまう。

「一体、僕はなぜこの『半分スケルトン』にここまで惹かれるんだろう?」

気になって夜も眠れなくなった(ちょっと盛りました)ので、自分の脳内を徹底的に深掘りしてみました。そうしたら、僕の少年時代の“ある原体験”に突き当たったんです。

それが、『空想科学読本』でした。

夢の破壊じゃない。それは「夢と現実の架け橋」

小学生の時にドハマりしていた空想科学読本小学生の時にドハマりしていた空想科学読本

知っている人、同世代でいますかね? 僕は小学生の頃、この本を文字通り擦り切れるほど読み漁っていました。

簡単に言うと、「アニメや特撮のフィクションの出来事を、現実の科学に当てはめて真面目に検証したらどうなるか?」を徹底的に考察する本です。

これがね、今読み返しても驚くほどディープで狂っているんですよ。

例えば、こんな検証が並んでいます。

  • タケコプターの悲劇 

ドラえもんの定番アイテムですが、現実の物理法則に当てはめると大惨事になります。体重80kg(と仮定する)ののび太を空中に引き上げるには、あの小さなプロペラを「毎分数万回転」させる超強力な下向きの風圧が必要です。

その結果どうなるかというと、プロペラと繋がっている頭皮(あるいは首の骨)がその猛烈な力に耐えきれず、首がちぎれて体だけが地面に垂直落下するという、ホラー映画顔負けの結論になります。

  • ウルトラマンのマッハ5飛行 

身長40メートル、体重3万5千トンの巨体がマッハ5という超音速で空を飛ぶ。
これを真面目にシミュレーションすると、彼が通り過ぎた瞬間に凄まじい衝撃波(ソニックブーム)が発生します。ヒーローが街をパトロールするために低空飛行しただけで、下にあるビルの窓ガラスはすべて粉砕され、家屋はドミノ倒しのように崩壊し、怪獣が暴れる以上の大災害が巻き起こるのです。


  • かめはめ波の過酷なエネルギー 

両手から放たれるあのエネルギー波。あれを「全エネルギーを光に変換して放つ物質(光子)」として科学的に計算すると、人間の体からあれだけの質量と熱量を一瞬で生み出すには、体内で核融合並みの反応を起こす必要があります。

つまり、かめはめ波を放った瞬間に、放った本人(悟空)の肉体がその超高温と衝撃で跡形もなく蒸発するか、あるいは周囲の空気が一瞬で超高熱のプラズマと化して地球が滅びるという、スケールの大きすぎる自爆技になってしまうわけです。

一見すると、「子供の夢を容赦なくぶっ壊している本」のようじゃないですか。でも、なぜかこれが強烈に面白い。

ここで僕は気づいたんです。僕が『空想科学読本』を大好きだったのは、夢を壊されたからじゃない。【夢と現実を繋げてくれていたから】なんだ、と。

完全なるファンタジーやフィクションを、無理やり現実世界のルール(物理法則)に引っ張ってくる。すると不思議なことに、「いや、そんなの作り話だし無理でしょ」と冷めるのではなく、「え…待って、現実のルールをこう応用したら、もしかしたら本当にできるかもしれないの!?」という絶妙なリアリティが生まれるんです。

現実味が増すことで、脳内での存在感がグッと増し、逆にロマンが何倍にも膨れ上がる。この感覚こそが、僕の「好き」のコア(核)でした。

だから「半分スケルトン」に恋をする

そう考えると、我が家の「半分スケルトン」のフィギュアたちに惹かれる理由も完全に説明がつきます。

キャラクター単体で見れば、100%架空の存在(フィクション)。でも、その体の半分から「骨格」や「内部構造」が透けて見えることで、急に生物としてのリアリティ(現実感)が流れ込んでくる。

「存在しないはずなのに、
 あたかもそこに生命として存在しているように見える。」

この、夢と現実のちょうど「狭間」に立たされている感覚。これこそが、僕の心を鷲掴みにして離さない理由だったんです。

大ヒット映画『シン・ゴジラ』の正体もこれだった

この視点を持つと、僕が大好きな映画『シン・ゴジラ』の魅力も、全く同じロジックで成り得ていることに気づきました。

ゴジラなんて、本来はフィクションの塊であり、虚構そのものです。ですが、『シン・ゴジラ』という作品は、「もし本当に、現代の日本に巨大不明生物が現れたら、政府はどう動くのか?」を異常なまでの解像度で、超リアルに、大真面目に描いていきました。

延々と繰り返される緊急会議、官僚たちの怒号、前例のない法制度の解釈、難航する避難指示、自衛隊の防衛出動、指示、そして総理大臣の政治判断…。

徹底的に現実(リアル)のルールでゴジラを縛る。だからこそ、あのスクリーンの中のゴジラは、本当に今、日本の街を破壊しているかのような圧倒的な現実味を持って僕たちに迫ってきたわけです。個人的には、あの映画が社会現象レベルで大ヒットした最大の理由は、まさにこの「夢と現実の融合」にあると思っています。

マーケッターが目指すべき「究極のバランス」

  • 夢(フィクション)だけでもダメ。遠すぎて他人事になってしまうから。
  • 現実(リアル)だけでもダメ。味気なくてワクワクしないから。

フィクション100%は届かない。リアル100%はつまらない。

その境界線上にある、「もしかしたら、本当にあるかもしれない」という地続きのロマン。

僕たちの仕事であるプロモーションやマーケティングでも、全く同じことが言えるのではないでしょうか。

ユーザーに「こんな未来、最高じゃん!」という夢(ベネフィット)を見せつつも、「あ、これなら今の自分の生活でも本当に実現できるかも」と思わせる現実的な仕掛けを組み込む。

ただ、このバランスが本当に、本当に難しい…!

夢に1ミリ寄りすぎると「なんか怪しいな…」と嘘くさくなる。現実に1ミリ寄りすぎると「普通だな…」と魅力が消えてしまう。ほんの少しの傾きで、コンテンツの魔法は解けてしまいます。

だからこそ、面白い。

フィクションと現実の境界線。ロマンとリアルの境界線。

マーケッターとして、その「究極の黄金比」をいつか見つけ出したい。そんな大真面目なことを考えながら、僕は今日も自宅のデスクで、半分骨が透けているフィギュアをニヤニヤしながら眺めています。

皆さんの周りにある「ついつい買っちゃうもの」にも、あなただけの『黄金比』が隠されているかもしれませんよ。

それでは、次回のブログもお楽しみに!

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