2026年7月7日
【イオリノノウナイ】仕事で「クソが!!」と思った日に読んでほしい。年間100冊読む男の上半期ベスト3
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皆さん、こんにちは!古野伊織です。
(自称)スーパーポジティブマンで知られる私古野ですが、タイトルを見て「えっ古野さんって仕事でクソが!!とか思うことあるの?」と呟いている方の声が聞こえます。
はい、ありますよ。そりゃ。僕だって。
ただ人に対してと言うより、自分に対してが9割5分です。
日々自分の無力さをかみしめながら、ひたすらに進み続けているわけですが…そんな時に僕をいつも救ってくれるのは「本」。
休日には1日カフェを4~5軒はしごして、本を読みまくることもあります。
本当は休日の過ごし方とかにしてみようかなとも思ったのですが、7,000字を書ききって気づいたのが予想以上に面白くない!!!
ということで、1回全て書き直してテーマを変えてたどり着いたのがこの記事です。
さて、皆さんは普段本は読んでますか?
社会人になって本が読めなくなったという人いませんか?
大学時代から活字が大好きで(これはまた別で書こうと思います)、社会人になった今も本を読み続けている私古野は、年間100冊は確実に読んでいます。
今日はそんな中で、
「人生と仕事のスタンスを、根底からブチ壊して再構築してくれた、ベスト3冊」

を、皆さんに紹介させてください。
先に言っておきます。
僕が本を読む理由は、知識マウンティングのためではありません。
知識が先と言うよりは日々の生活で気になったこととか、人間の不思議を感じたときの答え合わせとして読むことが多いです。
ぜひ読書好きの方は語り合いたいなぁと思いつつ、「お前の脳内は興味ないんじゃ!マーケター?プロデュース?コピーライター?なら時間を使って読んでやるだけの価値を提供しろ!」と聞こえてくるので、いきましょう。
🥉 第3位:『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』(魚豊)

本と言いながらいきなり漫画かよ!という声は一旦お控えください。
そうです。
漫画を全然読まない私古野がひっさびさに漫画を読んだ結果とてつもない衝撃を受けた1作です。
『チ。―地球の運動について―』で有名な魚豊さんの最新作で、テーマは、なんと「陰謀論」です。
人がなぜ、客観的に見れば荒唐無稽な「自分にとって都合の良い真実」にすがってしまうのか。その確証バイアスの沼を、これでもかと描き切る異色作です。
これを読んで、僕の中で価値観がガラッと変わりました。
陰謀論を信じる人を見て、「あの人、頭おかしいよね」「常識ないよね」とロジックで切り捨てるのは…
三流のやることだ、と。
その人にとっては、世間の常識とどれだけ違っていても、それが「本当に正しい真実」なんです。
逆に言うと、
「そう信じ込んでしまわないと、心が崩れてしまうほどの辛さや痛みが、過去にあった」
ということでもある。
別の例を出すと、「神様は本当にいるのか?」っていう議論がありますよね。
正直、いるかどうかなんて、僕にはわからない。誰にもわからない。
でも、ひとつだけ確実に言えるのは——
「神様という絶対的な存在がいると思わないと、耐えられないほど辛い夜が、人間にはある」
そうは思うんですよね。
これは、宗教の話じゃなく、人間という生き物の紛れもないファクトです。
…で、ここからが本題なんですが。
陰謀論にハマるとまで行かずとも、この信じこみすぎること、周りが見えない程どっぷりつかることの危険や経験はマーケターにもあると思っています。
僕自身もそうでした。
課長になる直前のプロモーションで僕は盛大に滑りました。
その時、僕の中には「これまで上手くいった訴求の型」「過去にハマった勝ちパターン」が、しっかり積み上がっていました。そして自分だから作れる世界観にも自信を持ち始めていたころです。
だから、新しい施策を仕掛ける時も、半ば無意識にこう思っていたんです。
「いつもの型でいけば、絶対にハマる」
って。
実は、市場のリアルな声を聞くと、サインは出てたんですよ。
お客様アンケートの自由記述欄、周りのメンバーからの違和感の報告、初動の数字の鈍さ。
「あれ、なんか今回、いつもと温度感が違うぞ…?」
そういう違和感は、確実に僕の目の前にあった。
でも僕は、その違和感から目を逸らしました。
「いや、これは大丈夫」
「これまでの勝ちパターンで押し切れる」
「過去の成果がそれを証明してる」
そうやって、自分にとって都合のいいFACT(過去の成功体験)で、現実を塗りつぶしたんです。
最終結果の数字を見た瞬間、頭が真っ白になりました。
これ、まさにあの漫画と同じ構造です。
僕は「自分の過去の成功体験」という、自分専用の陰謀論にすがりついて、目の前のリアルなお客様の声を無視していた。
もっというと、それしか見えなくなっていた。
完全に、確証バイアスのバグです。
実はこの「自分の過去の成功に縛られる恐怖」は、のちほど紹介する第1位の本へと強烈に繋がっていくのですが、その前に、もうひとつの「現代のバグ」について話をさせてください。
🥈 第2位:『考察する若者たち』(三宅香帆)

これは、現代の若者の消費行動を分析した本です。
結果、ローンチは想定の半分以下。
ざっくり言うと、
「今の若い世代は、コンテンツを”純粋に楽しむ”よりも、ネタバレや正解を先に確認してから消費する。確実なタイパを求めている」
という話。
これを読んだ翌週、僕は『細田守の原点/展』に行ってきました。
正直、めちゃくちゃ感動するつもりで行ったんです。
でも、会場に入った瞬間、僕の目に飛び込んできたのは、展示よりも先に「スマホをかざす人々」の群れでした。
ほぼ全員が、写真撮影に必死。
絵を見るより、撮る。余韻を味わうより、SNS用の構図を探す。
その光景を見ながら、僕はこう思ったんです。
「ああ、皆、その場を純粋に楽しむこと“以上”の、わかりやすい正解や報いを求めてるんだな」って。
SNSに載せて「いいね」がついて、「あ、私はちゃんと文化的な体験をした」と承認される。
記録として残れば、「ちゃんと意味のある時間だった」と確認できる。
純粋に楽しむだけじゃ、もう不安なんですよね、現代人は。
…で、ここまで観察して、僕は「今の時代、深いなぁ」と分析モードに入ってたんですが。
次の瞬間、ハッと我に返って、ゾッとしました。
「待てよ、この光景を見ながら『どうやって自社のマーケに活かそうか』『プロデュースのネタにできないか』って考えてる僕自身も、その場を純粋に楽しむ”以上”の『報われ』を求めてるんじゃないか?」
と。
なんなら、皆と同じです。むしろもっとひどい。
皆はSNSの「いいね」を求めてる。僕は「ビジネスの成果」を求めてる。
形は違えど、構造は同じ。
「純粋に楽しむ」という、人間として一番尊いはずの行為が、もう僕の中にはなかった。
それに気付いた瞬間の感情は、ほんとに複雑でした。
自分への失望と、でも、それでもこの思考が止められない自分への、ちょっとした諦めと。
…でも、ここで終わらないんです。
僕はその葛藤の中で、もうひとつ強烈な気づきを得ました。
それは——
「全員がわかりやすい正解ばかりを求める今の時代だからこそ、僕たちが日々挑んでいる『マーケティングという正解のない世界での戦い』には、凄まじい価値がある」
ということ。
正解がGoogleで検索すれば3秒で出てくる時代。
AIに聞けば、それっぽいフレームワークを瞬時に出してくれる時代。
そんな時代に、
「お客様は本当は何を求めているのか?」
「この施策は、本当に人の心を動かすのか?」
という、正解のない問いに、毎日泥臭く向き合えるマーケターは、もはや絶滅危惧種です。
データを綺麗にまとめて満足する人間じゃなくて、自己矛盾と葛藤を抱えながら、過去の成功すらアンラーニングして、それでも一歩進める人間。
危機に瀕した時代にしか作れない「全く新しいマーケターの価値」が、これからの10年で創出されると、僕は本気で思っています。
…なんか、書いてて自分でも熱くなってきました(笑)。
お待たせしました、それではいよいよ、第3位の僕の失敗談をガッツリ回収する、第1位の本の登場です!
🥇 第1位:『理不尽仕事論「クソが!!」と思った時に読む本』(坂井風太・ぐんぴぃ)

第3位の僕の失敗談(過去の成功体験にすがりつくバグ)を頭の片隅に置いた上で、この本の話を聞いてください。
タイトル、強すぎません?
元々坂井風太さんの思想が好きだった僕は書店で見た瞬間、「あ、これ僕のための本だ」って思って、即決でレジに持っていきました。
仕事してて「クソが!!」って思う瞬間、ありますよね?
冒頭でも書きましたが僕は、めっちゃあります。
これは周りに対してと言うよりは自分に対してです。
自分の力不足を突き付けられた時、人間としての弱さを自分に感じたとき、数えだしたらキリがない。
そういう時って大体「感情」に飲み込まれます。
でも、この本を読んで、めちゃくちゃ大事なことに気付かされたんです。
それは——
「理論やロジックを知っていると、自分を客観視(メタ認知)できる」
ということ。
この本には坂井風太さんが日々の組織開発での実践知に加えて論文や研究などを調べ尽くしたどり着いた研究結果や理論、ロジックが分かりやすく大量にまとまっています。
それを知ると何が良いのか。
たとえばトラブルが起きた瞬間に、「あ、これ、〇〇理論で言うところのフェーズBだな」って自分の状況を分類できる。
そうすると、「これは僕個人の不幸じゃなくて、誰もが通る通過儀礼だ」と認識できるんですよね。
先人たちが乗り越えた「型」があるって認知できるから、絶望から一歩、距離が置ける。
これがマジで効くんですよ。
冷静になれるってだけで、もう半分勝ち。
理不尽の渦中で、自分を見失わずに済む。
…と、ここまでだと「やっぱ理論って大事だね」で終わるんですが。
実はこの本の中に、僕の喉元にナイフを突きつけてくる強烈な概念が出てきました。
それこそが、【エースほど陥る”アンラーニング”の難しさ】という、めちゃくちゃ怖い概念です。
ロジックはこう。
「過去に大きな成果を出したプレイヤーほど、自分の成功体験に対する強いこだわりとプライドがある。だから、市場や環境が変わっても、その古いやり方を捨てる—つまり”アンラーニング(学習棄却)”する難易度が、誰よりも高くなる」
これ、読んだ瞬間に「あぁ…これ、さっき書いた過去の僕やん……」って、椅子から崩れ落ちそうになりました。
有難いことに、上長や先輩、周りのメンバーのご指導や支えもあり社会人になってから数値だけを見ればそれなりに結果を残すことが出来ました。
ただここが自分の壁にもなっていたんですね。
認識をしていないとひたすらに過去の成功が枷(かせ)になる。
頑張ってきた人ほど、その頑張りに、足を引っ張られる。
これほど残酷で、これほど多くのマーケターを静かに殺している罠は、ないと思っています。
僕たちは、つい「自分の勝ちパターン」「過去の成功事例」というFACTに、恋をしてしまう。
でもその FACT は、もしかしたら今この瞬間の市場では、もう1ミリも通用しないかもしれない。
じゃあ、その罠を突破する最終兵器は何か。
正論の理論を振りかざすることか? 自分のやり方が正しいと証明することか?
違います。
それは、現場で血の通った人間とドロドロにぶつかり合うことでしか得られない、藤原さんが何度も言っているあの「センサー」だと、僕は思うんです。
相手の声のトーン、目線、沈黙の長さ、メールの一文字違い。その一文字に隠された背景。
そういうものから「あ、この人、今こういう感情だな」って、五感で感じ取れる力。
自分の過去の成功という、都合のいいFACTをアンラーニング(リセット)する。
そのうえで、理論という「型」を持ちながら、現場で「センサー」を磨き続け、目の前の血の通ったお客様の、
「言葉にならない不安」
「誰にも言えない痛みの歴史」
「夜中にひとりで抱えてる、どうしようもない感情」
そういう生身の機微に、もう一回ゼロから、泥臭く向き合う。
このハイブリッドこそが、理不尽な世界を生き抜く唯一の方法であり、僕たちのマーケティングを「過去の焼き直し」から「本当に人を動かす仕事」に変えるんだと、僕はこの漫画と『理不尽仕事論』を行き来しながら、改めて深く誓いました。
過去の自分の成功は、宝物じゃない。
いつでも気持ちよく捨てられる仮説として、机の引き出しにそっとしまっておくくらいが、ちょうどいいんです。
最後に
長々と書きましたが、結論はシンプルです。
本を読むのは、頭良くなるためじゃない。
マウンティング取るためでもない。
現場で戦う自分と、目の前のお客様という”血の通った人間”を、もっと深く理解するための武器を仕入れるため。
そして、過去の自分の成功体験を、いつでも気持ちよくアンラーニングして、また新しい現場に飛び込めるようにするため。
下半期も、たぶん思い通りにいかないことだらけです。
数字に殴られる日もあるし、顧客の声に自信を壊される日もあるし、自分の未熟さに「クソが!!」と思う日もあると思います。
でも、そのたびに、僕らはまた現場に戻ればいい。
本を読み、仮説を持ち、現場で壊され、また作り直す。
その繰り返しでしか、本当に人を動かす仕事はできないと思っています。
もしよければ今日紹介した3冊、ぜひ手に取ってみてください。
きっと、明日のあなたの「クソが!!」を、ほんの少しだけ、優しく変えてくれるはずです。
読んだよ!とか、ポチったよ!という方、感想を教えてくださいね。
それじゃ、また!

